忙しい“元”勇者たちに贈る、絵本のような“プレイしない”RPG『dreeps』

アラームをセットしてあとは放置しておくだけ。ドット絵の優しい世界がひろがります。RPGを遊ぶ時間がなくなったあなたに。

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posted by matsu at 2015/01/21 19:30

あなたの代わりに冒険します

新感覚のアラームプレイングゲーム“APG”として話題になっていた本作がついにリリースされました。

本作『dreeps』は放置系というより、“完全”放置型といってもいいゲームです。
プレイヤーはリアルタイムと連動したアラームをセットするだけ。
ドット絵の世界を“自動”でロボットの少年が旅します。あとは彼の冒険を、ときどきアプリを起動して眺めるだけ。
チップチューンの音楽が流れ、スーファミの名作を思い起こさせるどこか懐かしい世界観です。

目覚めなさい。勇者よ

ゲームをスタートすると
カットインから始まります。本作で出現する文字は、このオープニングの3行とプレイ方法のみ。どうして冒険に?どんな世界?と言ったストーリーなどはこれ以外には語られません。
これから起こる冒険のすべては、プレイヤーの想像力で補完しなければいけません。
印象的なドット絵の世界観。ひつじと博士と…飛行船?
上空へ飛び立つ飛行船には窓がたくさん。なんだかマンションみたいな外観です。移民へ出発したのでしょうか。上空には…月?

ベッドで目覚めたのが主人公のロボット。博士と何か話していますがプレイヤーには分かりません。
これからプレイヤーは毎日、彼と共に冒険を続けることになります。
プレイヤーがアラームをセットして就寝すると、彼も眠りにつき、プレイヤーが目覚めると、彼も目覚めます。
どうやら冒険に出発した模様。リュックを背負って廃墟を歩いています。どこを目指しているのでしょう。そしてここは一体どこ?雲があるってことは地球?

そんなこんなで思いを巡らせ、チップチューンな音楽とドット絵のレトロな世界観に癒やされていると、なんと敵とエンカウント。
バトルもすべて自動です。がんばれ〜!見守るだけの方がハラハラしてしまう不思議。

基本的にこのゲームにプレイヤーが介入できるのは、アラームのセットと、バトルでやられてしまった際にタップして起こしてあげること、それぐらいです。

プレイヤーはリアルタイムの自分の生活と共に、冒険を続ける彼を見守ります。この控えめなんだけど冒険を一緒にしている感じがたまらなく素敵。

午後5時の夕方には、彼は地平線が見渡せるどこかを歩いていました。
オレンジ色に染まるドットの世界。夕日を反射する水面が美しい。

画面左上の体力も少し減っています。しかしゲームに介入する手段はアラームのみ。そう、彼を回復させるためには、アラームをセットし寝る…つまりプレイヤー自身の休息が必要なのです。
アラームをセットして…
寝ましょう。きょうも冒険おつかれさま。

僕には勇者になる時間がない

開発者の平岡氏はRPGが大好きでしたが、仕事で忙しい毎日の中、久しぶりにプレイしたゲームで必要なアイテムやストーリーを忘れたことに気づき「ゲームの中の勇者になる資格がぼくにはないんだ」と感じてしまったそうです。

誰もが朝、夜と2回は起動させる目覚ましアラーム。本作には最低でも朝夜2回の大冒険がつまっています。

ドット絵とチップチューンな音楽でどこか懐かしい、絵本のような優しい世界が気になった方、いつしか「大作!やりこみ要素満載!」といった言葉に億劫になってしまった、買うだけで満足してしまった積みゲーが増えている方にもぜひ。

dreeps詳細情報

価格 300円
メーカー Hisanori Hiraoka
ジャンル ロールプレイング
© YAKAN HIKO