「Fate」シリーズに登場する数々の英霊たち その3
『Fate/Grand Order』にて活躍中のサーヴァントの初出作品を紹介するコーナー!
今回は、7対7の"聖杯大戦"を描いた「Fate/Apocrypha(以下、Apo)」と"偽りの聖杯戦争"を描いた「Fate/strange Fake(以下、Fake)」、魔術とミステリーが絡みあった「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿(以下、事件簿)」を紹介します。
ここから先、物語のネタバレはありませんが、紹介しているサーヴァントの真名は作品内で徐々に明らかにされていくものです。これから作品を楽しみたいと思っている人は注意してください。
7対7の聖杯大戦「Fate/Apocrypha」
本作はもともと、聖杯戦争を舞台にしたオンラインゲームとして企画されていたものでしたが、日の出を見る前に没になった作品です。それに登場予定だったサーヴァントなどの設定を一部踏襲して、世に出されたのが今回紹介する小説作品です。
著者は東出祐一郎氏。『FGO』内では第1章や第3章、一部イベントのシナリオを担当しています。
奈須きのこ氏曰く、途中までは同じだけど今は完全に別の世界。
時間軸は、第二次世界大戦前夜に執り行われた第三次聖杯戦争終了後。
魔術協会から大聖杯を奪った「ユグドミレニア家」の魔術師たちである「黒」の陣営と、その討伐のために魔術協会に雇われた「赤」の陣営、二つの勢力によって行われる7対7の「聖杯大戦」が本作のストーリーです。
出現サーヴァント一覧
クラス | 真名 | 陣営 |
ルーラー | ジャンヌ・ダルク | ルーラー |
セイバー | ジークフリート | 黒 |
アーチャー | ケイローン |
ランサー | ヴラド三世 |
ライダー | アストルフォ |
キャスター | アヴィケブロン |
アサシン | ジャック・ザ・リッパー |
バーサーカー | フランケンシュタイン |
セイバー | モードレッド | 赤 |
アーチャー | アタランテ |
ランサー | カルナ |
ライダー | アキレウス |
キャスター | ウィリアム・シェイクスピア |
アサシン | セミラミス |
バーサーカー | スパルタクス |
※初出サーヴァントは赤文字で表記。
※『FGO』に未登場のサーヴァントは青文字で表記。
サーヴァント補足
■アストルフォはまだ実装されてないのでは
2015年に実施されたイベント「ほぼ週間 サンタオルタさん」にて出現済みなので、赤文字で表記しています。
ライターの個人的戯言
「Fate/stay night」や「Fate/Zero」をすでに知っている方はわかると思うが、基本的にサーヴァントは契約したマスターとペアとなって行動し、他のペアとは相容れない。それは、聖杯を降霊させるためには、サーヴァント"6騎分"※の魂が必要であり、共闘関係にあっても最後には戦う宿命にあるからだ。
※真に根源に至ろうとするならば、必要なのは"7騎分"。
けれど、「Apo」は少し毛色が違う。マスターとサーヴァントの関係は同じだが、対立する組織同士が戦うので同じ陣営同士で共闘することもあれば、陣営を越えて協力し合うことも……。
あまり多くを語るとネタバレになってしまうので、これ以上の言及は控えるが、最後に一言だけ。
アストルフォかわいいよ、アストルフォ。
だが、男だ。
偽りの聖杯戦争「Fate/strange Fake」
本作の著者は成田良悟氏です。
本作が作られたきっかけは、正に嘘から出た真を体現したような経緯があります。「Fake」は、もともと成田氏が自身のHPにエイプリルフール企画として掲載した"Fateシリーズの二次創作小説「Fake/states night」"でした。
その言うなれば同人作品が、後に公式からのお墨付きをもらい、「Fate/strange Fake」と名前を変えて、一般流通経路に乗り販売されているのが今回紹介する作品です。
奈須きのこ氏曰く、同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界。
舞台は、第五次聖杯戦争から数年後のスノーフィールド。
オリジナルの聖杯戦争の技術を模倣した「偽の聖杯戦争」という位置づけです。
2016年2月現在まだ完結はしておらず、著者曰く5巻分くらいのプロットはすでにあるということですので、続刊が待ち遠しい状態です。
出現サーヴァント一覧
クラス | 真名 |
セイバー | ー |
アーチャー | ギルガメッシュ |
ランサー | エルキドゥ |
ライダー | ペイルライダー |
キャスター | アレクサンドル・デュマ |
アサシン | ー |
バーサーカー | ジャック・ザ・リッパー |
アサシン | ハサン・サッバーハ |
アーチャー | ー |
※初出サーヴァントは赤文字で表記。
※『FGO』に未登場のサーヴァントは青文字で表記。
サーヴァント補足
■真名が"ー"になっている箇所は
本作はまだ完結していない作品であり、"ー"となっている箇所は作中で確定していない真名です。
■「ジャック・ザ・リッパー」はアサシンでは
『FGO』に実装されているジャックは「Apo」版のジャックであり、「Fake」版のジャックとはまた少し違うらしい。
ライターの個人的戯言
まだ完結していないので、全てのクラスの真名が判明していないが、触りとして紹介。
現在までにわかっていることは、作者も発言しているが"チートvsチート"ということ。このまま進んでいくとゆくゆくは地球を破壊するんじゃないかという勢い。
『FGO』との繋がり的には、前述したサーヴァントの中では「ギルガメッシュ」が既に実装済みで、「エルキドゥ」の参戦は決まっている※が、他の情報はさっぱり。災厄という概念がサーヴァントの「ペイルライダー」が実装されたとすれば、どのような戦闘スタイルになるのか楽しみなところ。
※「TYPE-MOONエース Fate/Grand Order」のキャラクター紹介参照。
魔術とミステリーが絡みあった「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」
「Fate/Zero」にてマスターの一人として第四次聖杯戦争を戦い抜いた「ウェイバー・ベルベット」が大人になり、さらなる研鑽を高め「ロード・エルメロイⅡ世」となった彼が主人公の物語です。
奈須きのこ氏曰く、完全に同じ世界、ただし三田誠スパイスにより待機濃度がちょい違う濃密魔術もの。
時系列的には第四次聖杯戦争から10年後、第五次聖杯戦争開始の少し前となっています。
本作はミステリーという体制をとっているものの、推理出来る要素はほとんど存在しません。よって、そのようなジャンルを臨んでいる人にとっては肩透かしにあうかもしれません。
また、サーヴァントや聖杯戦争が本筋とはあまり関わってこないので、Fateシリーズファンも困惑する内容かもしれませんが、「Fate/Zero」で活躍した「ウェイバー・ベルベット」(「ロード・エルメロイⅡ世」)の活躍が見たいでのあれば満足できる作品です。
著者は三田誠氏。こちらもまだ完結していない作品なので、続刊が待ち望まれています。
出現サーヴァント一覧
サーヴァント補足
■この人はサーヴァントではないのでは
その通り「ロード・エルメロイⅡ世」は現存する魔術師であり、サーヴァントとして召喚されたわけではないですが、紹介の便宜上そう表記しています。
ライターの個人的戯言
「Fate/Zero」のヒロイ…ではなく、マスターの一人として活躍した「ウェイバー・ベルベット」が大人になって、時計塔の講師として新世代の魔術師を育てている「ロード・エルメロイⅡ世」が主人公兼探偵役。
なぜ、「ウェイバー」が「ロード・エルメロイⅡ世」となったのか。彼はどのように生き抜いてきたのか。「ウェイバー」ファンにとっては諸手を挙げて喜ぶ作品だと思われる。ただし、「Fate/Zero」の時代とは違って、名実ともに大人となった姿で描かれているので、少々頼りなかった青年時代を好きだった人は少し悲しむかもしれない。