ロボットが守るのは『からっぽのいえ』
大きな話題を呼んだ「ひとりぼっちの惑星」の製作者、ところにょりさんの新作スマホゲームがリリース開始!ストーリーと音楽が調和し、独特の世界観を持つ作風でお馴染みの方ですね。
本作『からっぽのいえ』は、誰も暮らしていない家を守り続けているロボット「RJ6388265」の記憶を辿る、退廃的な雰囲気が魅力の作品。物語に分岐はなく、美しくも物悲しいBGMをバックに粛々と読み進めていくゲームとなっています。
敵の攻撃から家を守る
空中にいる敵から攻撃を受けているシーンからゲームが開始します。家の中央にポツンと立っているロボット「RJ6388265」には、家を守る使命があるので、敵を指でなぞってロックオンしミサイルを発射して撃ち落としましょう。
敵を壊していくと部品が溜まり、画面右端にある規定値まで達すると家をアップデートして増強することができます。アップデートすることでミサイル同時発射数が増加し、家も大きく拡張されますよ。
つい笑みがこぼれるような、家族の人生を見守る
アップデートする直前にだけ、「RJ6388265」の記憶の断片を垣間見ることができます。ロボットをタップすると思い出が記憶されている画面になり、アイコンが震えている記憶をタップすると回想がスタート!
家庭用汎用性ロボット「RJ6388265」は<あるじぇ>と呼ばれ、<おとうさん><みっちゃん>と過ごした家族としての記憶が「RJ6388265」の補助OS視点で語られます。
楽しいことや辛いことがありながらも、突飛なことがあるわけではない、ただ穏やかに暮らしている日常が描かれています。
記憶データを消去しますか?
しかし、家を守らなければならない彼には、そんな穏やかで何気ない日常の思い出を記憶しておくだけの容量が残っていません。誰もいない、敵から攻撃を受け続けるだけの“からっぽの家”を守るために、大切な人との記憶データを削除する選択を強いられます。
筆者は、最初にこの選択が表示された際に思わず「いいえ」を選択しましたが、記憶を削除しなければ物語が進まないということで、心苦しくも削除を選びました…。
幸せなロボットの記憶を辿る物語
誰もいない空き家を守るロボットから、家族の思い出までもが削除され、後には一体何が残るというのか…?ゲーム中盤ではそんな、やるせない気持ちで思い出を削除し物語を進めていました。
しかし、最後の思い出を読み終えた後は、“これは幸せなロボットの話なんだ”と感じました。記憶をすべて失い家を守り続ける今も、やはり彼は幸せなのではないかと筆者は思っています。
このように、読む人によって感じ方や解釈が大きく異なるストーリーの『からっぽのいえ』は、プレイ時間もかからないので、気になった方はぜひプレイしてみてくださいね!