GOロケット団にかつての仲間が
『ポケモンGO』のウィロー博士の調査レポートに新たな進展がありました。
今までの調査レポートはこちらGOロケット団のリーダーの1人、アルロはチームヴァーラーに所属していたキャンデラのかつての仲間だったことが判明しました。
チームヴァーラーの元チームメイト
日付:2019年10月30日
件名:[ウィロー博士の調査レポート]チームヴァーラーの元チームメイト
スパークとシエラの予期せぬ遭遇のあとも、わたしたちたちはGOロケット団の調査を進めていた。ブランシェとスパークは「ロケットレーダー」の改良に力を入れているのに対し、キャンデラは何も手に付かない様子だった。意味もなく部屋の中を歩き回ったり、ため息をついたり、とにかく落ち着きがない。わたしは彼女を呼び止めて、近くの「ポニータ」が集まる場所へ調査に行こうと誘った。本当の目的は、彼女を研究室から一旦連れ出して、彼女の情熱を目の前の課題に向けさせる方法を探ろうとしていたのだ。
調査に向かう途中で、わたしは彼女に率直な質問を投げかけてみた。GOロケット団のリーダーたちの画像をわたしが見せてから、明らかに彼女の様子や雰囲気が変わってしまった、と。彼女はいつのように情熱的に、しかしせわしなく動き回りながら、事情を話してくれた。それは脈絡のない話ぶりだったが、その中である事実が浮かび上がってきた。
GOロケット団のリーダーの1人、アルロは、かつてキャンデラの仲間だったらしい。2人はチームヴァーラーに共に所属していたが、キャンデラがチームリーダーになると、アルロは突然姿をくらませたという。それ以来アルロは音信不通で、あの写真を目にするまで、キャンデラも彼の姿は一度も見ていなかったらしい。どうしてかつての仲間がチームを去ってGOロケット団のような組織に入ったのか、彼女は心底わからない様子だった。その情熱で、今まで何度も苦しい状況を乗り切ってきた彼女だったが、今回ばかりは不安に押しつぶされそうになっているように感じた。彼女は外に出て、とにかく何かをしたかったのだろう。みんなの力になりたかったんだ。
わたしはキャンデラに、ブランシェとスパークの身に起こったことを話した。ブランシェの論理的で計画的な性格は普段は強みとなるが、クリフに出会ったときには、考えすぎて即座に判断することができなかった。スパークの大胆さとガッツは、普段はピンチをチャンスに変えてくれるが、今回はポケモンを守ることに必死になりすぎて、何の準備もないままにシエラに対面してしまった。でも失敗しても、間違いをおかしても、それは大した問題じゃない。それが自分たちを突き動かす原動力になって、GOロケット団に対抗する気持ちを奮い立たせてくれる。そう彼女にも伝えた。本当に大切なのは、自分の弱みを受け入れて、それを克服する方法を学ぶことだ。失敗しても、きっとそばにいる誰かが助けてくれる。
目的地に到着し、わたしたちはまず周囲の様子を観察していた。すると突然、キャンデラの表情が凍りついた。彼女の目線をたどると、シャドウポケモンの一群と、その中に佇むアルロが立っていた。いつものキャンデラなら、そのまますぐにバトルになだれ込むだろうと思っていたが、彼女は落ち着いた様子だったので、わたしは感心してしまった。アルロや彼のシャドウポケモンと対峙する準備ができていなかったし、ポケモンの数もこちらが負けていた。すぐに他のチームと合流して、対策をする必要があった。わたしたちはアイコンタクトをし、お互いに頷くと、すぐに研究室へと引き返した。
キャンデラはすぐに他のチームリーダーと「ロケットレーダー」の開発に取りかかった。彼女のフィードバックや提案のおかげで開発は一気に進み、「ロケットレーダー」は正常に作動するようになった。
3人が協力し合い、それぞれの強みを活かした結果、最高のバランスで開発を進めることができた。やっぱりわたしの見込んだとおりだった。
―ウィロー博士