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弁護士・筧史郎(西島秀俊)と美容師・矢吹賢二(内野聖陽)は“シロさん”“ケンジ”と呼び合う恋人同士。共に暮らし、幸せな食卓を囲み、和やかな時を過ごしている。2021年6月末。史郎は月2万5千円の食費が3日を残し限界を迎え絶望のどん底に。一方、賢二も体重が人生最高値を超え絶叫。おうち時間の増加に食品値上げ…何とかやりくりするか？賢二の健康を思い予算オーバーでも高い魚に手を出すか？史郎はひとり苦悩する。

9月。矢吹賢二(内野聖陽)は代休を取るはずだった日曜に仕事が入ってしまう。筧史郎(西島秀俊)に伝えるとあっさり了承。残念がるそぶりのない史郎に、賢二はちょっと不服そう。加えて自分の体形もまだ気になっている様子で…。 そんな折、史郎は上町美江(高泉淳子)から弁護士を引退する意向を告げられる。さらにある考えから息子の修(チャンカワイ)とともに史郎にも事務所を譲りたいと言い出す。ついては史郎が“彼女”との結婚と独立を考えているか知りたいという。史郎はうろたえつつも「独立も結婚も考えていない」「変わらないのがいい」と率直な心境を伝えると、「責任を負いたくないだけだ」と呆れられてしまい…。

10月31日。史郎(西島秀俊)と賢二(内野聖陽)はハロウィンパーティーに招かれ、盛装で小日向(山本耕史)と航(磯村勇斗)の家へ。凝ったコスプレの出迎えに対し、史郎と賢二は普通のスーツだが実は裏設定が。さらにパーティーの最中、小日向と航の劇的な馴れ初めを知ることにーー。数日後、史郎は両親の室内墓地見学に付き添う。2人はある理由で永代供養を考えていた。その夜、賢二は背徳感たっぷりの一人メシを満喫する。

11月。腕は確かだが毒舌キャラな田渕剛(坂東龍汰)にも顧客が増え始めたある日の美容室で、三宅祐(マキタスポーツ)は久々に予約が入った顧客の対応を田渕に代わって欲しいと願い出る。当日予定があるとの理由だが、名前を聞いた矢吹賢二(内野聖陽)ら店員は驚く。1年前に別れた祐の浮気相手だったからだ。三宅玲子(奥貫薫)も勘づいているそぶりを見せ、店内は凍り付くが、祐だけは全く気付かない…。そんな中、田渕から珍しく食事に誘われる賢二。「話したいことがある」と何やら深刻そうな様子で、「店を辞めるのではないか」との不安がよぎる。

一方、筧史郎(西島秀俊)は上町美江(高泉淳子)の顧客先へ同行。社内のパワハラ問題がどうにか和解できた経緯を社長(岡部尚)に説明する。と同時に、美江は突然「今後は筧史郎が担当する」と明言。初耳の史郎は取り繕いつつ内心かなり戸惑うが、追い打ちをかけるように「事務所のボスになる覚悟をしておいて」と釘を刺されてしまい…。

その夜、田渕にウチ飲みを提案された賢二は田渕の家へ。同棲していた彼女・逸見千波(朝倉あき)と別れたばかりで食材が大量に余っていたのだ。さらに田渕は別れた原因を打ち明ける。何でもキッチリしていて家事も完璧な彼女だったが、ただひとつ、微妙に料理がおいしくないという欠点が。それゆえ田渕が起こしたある行動がきっかけで、別れを告げられたという。

12月。筧史郎(西島秀俊)は、午前中に洗濯機の排水ホースの不具合で水が溢れそうになった事件の顛末を、帰宅した矢吹賢二(内野聖陽)に報告。だが「前に大洪水になって怒られた」と、以前一緒に住んでいた人との出来事を思わず口走ってしまう。 瞬時に悟った賢二は、相手がどんな人なのか詳しく聞きたいとしつこくせがみ、根負けした史郎は9年前の思い出を明かし始める。 史郎40歳の時。排水口が詰まり洗濯機周辺が水浸しに。「昼メシまだ？」と現れた当時のパートナー伸彦(及川光博)は、状況を理解しつつも不機嫌そうに外出。その後も何かにつけ高圧的な態度をとる伸彦に、さすがの史郎も堪忍袋の緒が切れかけるが、あまりにドンピシャなビジュアルゆえ結局許してしまい…。自分といる時とは態度が違う史郎の過去を知った賢二は、案の定、嫉妬する。 クリスマスを間近に控え、史郎はスーパーで見つけたお買い得な鶏モモ肉をクリスマスディナー用に買おうとするが、近頃体形を気にする賢二を思い出し、ボリューミーな恒例メニューのままでいいのか悩む。その頃、美容室でも史郎が作るクリスマスディナーの話題に。好きなものだらけな料理を嬉しそうに語る中、周囲からのある指摘を受けた賢二は、やがて史郎の心遣いに気づく。 「今年からメニューを変える」―2人の意見が一致した夜、史郎と賢二は一緒にクリスマスの新メニューを考えることに。相手を思いやりながら、考えに考えた新しいクリスマスディナーとは―。

12月30日昼。仕事から帰宅した筧史郎(西島秀俊)に、矢吹賢二(内野聖陽)は、井上航(磯村勇斗)から初詣の誘いがあったことを伝える。親と昼間にしか行ったことがなく、大晦日の夜に集まると知り驚く史郎。さらに寒い夜に人混みの中で徹夜するのはイヤだと拒否するが、賢二が珍しく語気強めに反論。相当行きたいのだと悟った史郎は初詣の誘いを受け入れる。 大晦日の夜。集合した4人は無事一緒に新年を迎える。だがお参りを終えた後、テンション高めの賢二に対し、3人は早くも帰りたいモード。オールで夜遊びを満喫したい賢二の意見は却下され、結局一旦解散して昼から小日向大策(山本耕史)の家でパーティーをすることに。 小日向の家に着くと、老舗料亭のお取り寄せおせちがずらり。伊勢えび、アワビ、ローストビーフ―不服そうだった賢二も超高級おせち料理の数々に目を輝かせる。手作りの黒豆と豚の角煮を用意していた史郎は、キッチンを借りて最後の仕上げを。そんな正月ならではのごちそうをほおばりながら、話題はやがて家族の話に。「兄弟が結婚して孫がいるからラク」という話題に、ひとり息子の史郎は複雑な表情を浮かべて…。 そんな中、史郎はマンションのオーナー池辺さん(諏訪太朗)から、家賃滞納の相談を受ける。すると突然「同居している男性は恋人か」と尋ねられ動揺。東京都で年内に運用されるというパートナーシップ宣誓制度に絡む質問だったのだが…兄弟？友人？いとこ？焦った史郎の答えは―。

仕事中の筧史郎(西島秀俊)の様子を見ていた小山志乃(中村ゆりか)は、ずっと贈りたいと思っていたというものをデスクに置く。それは100円ショップの老眼鏡。明らかに老眼の仕草をしていたのだ。史郎はそれが何か察しつつも、認めたくないのか頑なに見ようとも受け取ろうともしない。 だが「素直にお認めなさい」と上町美江(高泉淳子)に一蹴され、仕方なく手にする史郎。 掛けてみると認めざるを得ないほど視界が開け、その夜に矢吹賢二(内野聖陽)から誕生日プレゼントの希望を聞かれた史郎は「老眼鏡」と即答。翌日メガネを作りに行くことに…。 そんな折、史郎のもとに、大学の同級生・金森が亡くなったとの知らせが。誕生日当日が告別式のため、お祝いは見送ることに。 式では金森の子供3人と挨拶するが、すでに全員20代後半で孫の姿も。参列した同級生たちも自分の子供の結婚話を口にして、史郎は思わず無言になる。 妻・諒子(相築あきこ)の話では、金森の闘病生活は3年に及んだという。本人が誰にも知らせないで欲しいと懇願したといい、悪化した最後の２カ月までは元気だったようだ。その２カ月で心の整理は出来たとはいうものの、諒子の表情はやはり寂しそうで…。そんな話を聞き思うところがあったのか、史郎は帰宅後、賢二にある提案をして驚かせる。

三宅祐(マキタスポーツ)と玲子(奥貫薫)は、夫婦揃って盛装で美容院に現れる。娘の大学の入学式に出席したのだ。しかもひと段落着いたのを機に仲良く2人でベトナム旅行に行くという。“離婚”の2文字が浮かんでいた矢吹賢二(内野聖陽)らは関係が修復したと安堵するが、田渕剛(坂東龍汰)だけは「人の気持ちは簡単に修復しない」と否定的。そんな田渕の分析を裏付けるような出来事が待ち受けていようとは――。 その頃、筧史郎(西島秀俊)は離婚の相談を受けていた。依頼者・北林敏子(村岡希美)は、夫・盛綱(桜井聖)から浮気相手と結婚したいと離婚を突きつけられたが、別れたくないという。状況的に慰謝料をもらって離婚したほうがいいと勧めると「私もそう思う」と意外な反応が。実は盛綱のスマホを探った結果、相手はカマラと名乗る若い女性で、明らかに国際ロマンス詐欺だった。 送金額も半年で1000万円にのぼり、先手を打って警察に相談したが、本人が被害を認めない限り対応してもらえず…。「騙されていることを夫に認めさせて欲しい」という敏子の要望に応えるため、史郎は盛綱と対面するが、いくら説得しても素晴らしい女性だと言ってはばからず、「彼女の夢の応援をしたい」の一点張り。新たな送金依頼もあったため、史郎は強行手段に出ることに…。 さらに史郎の両親にも新たな局面が訪れる。

5月中旬、ベトナム傷心旅行から帰国した三宅祐(マキタスポーツ)は、矢吹賢二(内野聖陽)に新たな野望を打ち明ける。なんとベトナムに店を出したいという。独身になった今、年齢的にも新たなことにチャレンジするなら今がラストだと旅行中に考えた祐は、現地での縁もあって決意したようだ。「もう失うものなんかナンもないんだよ！」と涙目で訴える祐は、今の店舗を賢二に任せたいようで…。 忙しくなる＝筧史郎(西島秀俊)とすれ違いになってしまう…そのことを心配する賢二だが、事情を知った史郎から「店長に向いている」「がんばってみるのもいいんじゃないか」と背中を押され、店長になる覚悟を決める。だが予想通り、賢二は毎日夜11時過ぎに帰宅し翌朝も早い時間に出ていく状況に。2人で食卓を囲む回数は明らかに減ってしまう。史郎もまた仕事の負担が激増。上町美江(高泉淳子)はある案件を修(チャンカワイ)に託そうとするが、含みを持たせた言い方をして引き取ろうとしない。何かを察した史郎は自ら手を挙げるが、同時に別の案件が舞い込んでくる始末で…。 仕方ないことは理解しつつも、2人で食事ができてない現状に賢二は「つまらない！」と嘆く。史郎もまた々ことを考えていた。背中を押した自分と今の状況を「つまらない」と思う自分…矛盾した感情を抱く自分自身に腹を立てた史郎は、その日、思いっきり賢二が好きなメニューばかりの夕食を作ることに。そんな史郎も新たなチャレンジの時を迎えようとしていた――。

上町弁護士事務所を引継ぐ覚悟を決めた筧史郎(西島秀俊)は、上町美江(高泉淳子)にその意思を伝える。美江ははじめみんな信じ難いという反応。修(チャンカワイ)と共同であること、定時帰宅を死守することが条件ではあるが、修が刑事弁護教官になった場合は自分がメインで回すという。史郎の気遣いに修は感極まって…。 帰宅すると矢吹賢二(内野聖陽)からお願いごとが。実家に帰宅した際、母・峰子(鷲尾真知子)が「史郎に会いたい」と言い出したという。できれば姉っも一緒に食事をしたいと提案されたらしい。そこで史郎は、峰子らが住んでいる場所も考慮して、上野の老舗鰻屋の個室を自ら予約する。 当日。史郎だけでなく賢二もガチガチに緊張している。賢二の話では、峰子が史郎に会いたい理由を明かさない理由といい、なぜ急に言い出したのか未だわからずにいた。やがて賢二の家族が到着するが、史郎を見るなり「素敵な人だ」と盛り上がる姉たちに対し、峰子は一人冷静だ。2人はそんな峰子の一挙手一投足が気になって仕方がない。ところが品のあるコースに鰻重…贅沢な料理を前に和やかに時が流れていく。「ただの食事会かもしれない」と史郎は思い始めるが、料理も終わりに差し掛かった頃、峰子は「ちょっと湿っぽい話になるけど…」と切り出し、抱えていたある思いを吐露し始める。

筧史郎(西島秀俊)と井上航(磯村優斗)は、小日向大策(山本耕史)や富永(矢柴俊博)が所属するテニスサークルの試合を観戦していた。本当は試合後、矢吹賢二(内野聖陽)も合流して富永家で食事会をする予定だったが、なんと富永さんがギックリ腰を患い食事会は中止に。楽しみにしていた航は拗ねてしまうが、その後、航がコートであるミラクルを起こすという予想外の展開が…。 小日向と航が史郎の家に来ることになり、賢二も早上がりして帰宅。「リコッタチーズのパンケーキが食べたい」という航の要望で、パンケーキパーティーをすることに。ハニーコームバター、フルーツ、生クリーム、チョコレートソース…賢二と航のわがままにも応えつつ完成した、史郎と小日向お手製のふわふわパンケーキを見た賢二と航の反応は＿＿。 とある日の夕方。スーパーアキヨシにて、富永佳代子(田中美佐子)は、小玉スイカを前に立つ男性を凝視していた。史郎にあげたエコバックにメガネ、金髪…明らかに史郎から聞いていた賢二そのものだった。さらに「シロさん」と呟いたことで長らく会いたかった賢二だと確信。なのに声が掛けられず、逃げるように去ってしまう。