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ふっ、あたしなんかを気にかけてくれるなんて、本当にあんたは変わり者だね

明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします！」

「ほら、見てください！年賀状、こんなにいっぱい！私、嬉しいんです。新年を迎える時、いつも一人だったから。皆さん私のことを覚えていてくれているんだなって……！」

「……ごめんなさい。何だか感傷的になってしまいましたね。他の返事はもう送ったのですが、あなたにだけは直接お渡ししたくて」

「今年がどうか、あなたにとって素晴らしい一年になりますように！」

「ドゥルク叔父さん…」
「グルオオオオオォ！！」
「叔父さんのことをおじいちゃんがずっと待ってるんだよ。いつも寂しそうな顔をして…」
何度呼びかけようと狂獣は少女の呼びかけに答えない。
「あなたのお話を聞けば聞くほど、誇らしくなったんだ…血は繋がってなくてもこの人があたしの叔父さんなんだって。やっと会えたのに…」

洗脳されている間にやったことの責任をエルミナに求めるのは酷だろう。
赤竜騎士団も彼女の過去の罪状について詳しく追及する気はない。
それでも、眠れない夜には思考が当時の記憶に引き寄せられてしまう。彼女は今でも殺めてしまった者たちを一人残らず鮮明に覚えている。
その恐怖で歪む表情、その血で濡れる自分の刃。かけがえのない誰かの命を奪ってしまったというおぞましい感覚。
意思があろうがなかろうが、自分が人殺しであることには変わりはない。
子供たちを助けたり、新たな仲間と共に正義を成したりしたところでエルミナの罪は消えないかもしれない。
それでも彼女は立ち上がる、忌まわしきグル・グリムが望んでいるものとは真逆の世界を作るために。