【エバーテイル】閲覧注意！純真無垢なシスターの正体が過激なえちえちサキュバスだった件について！？今月も100万円GETチャンス開催中

能力は壊すだけのものではなかった。自分を嫌った彼女は自身を別人へと変質させることが出来た。
たった一つのものを取り返すために行った禁忌の儀式。その儀式で彼女は贄を一人また一人と自身に宿していった。その数が千を超えた時、儀式は終わりを迎え、そして彼女はある二つ名で呼ばれるようになった。千の貌を持つ者、と。

男に拾われてすぐに彼女は世界へ飛び出したわけではない。一度目の生で与えられた、周囲と自身をも壊し尽くす制御できぬ力。そして二度目の生で与えられた不死の器。その二つによって彼女は自壊と再生を幾度となく繰り返した。その間、彼女は母の愛が本物だったのか、偽物だったのか、自身の母への思いが愛なのか、憎しみなのかを問い続けた（後に彼女は思うことになる。感情が、商売のように損得だけで割り切れるものであったら良かったのに、と）。力を制御下に置いたあとで尚、その答えは出ぬまま。故に彼女は自分を超える新たな生命を創らんとする。その生み出された我が子に自分はどんな感情を抱くのかを知るために。

無事諜報の任務を終えた後、彼女は酒を口にする。すぐに酔いが周り、顔を赤らめる。しかしその頭に浮かぶのは暗い過去の記憶。もう人殺しはしないーー彼女はそう決めていた。誰かの命を奪うことなく、誰かの命を守って生きていけたら……「今日は酔いたい気分なんだ。一杯付き合ってよ」

９年の時をさかのぼり、そこで彼女が出会った少年はどこか、彼の面影を感じさせた。力の渇望、英雄への憧憬、そして秘めた優しさ――彼女は少年を守りたいと思った。この残酷な刻から、世界から。かつてその手で救えなかった、彼のためにも。