「ナイチンゲール」「エレナ・ブラヴァツキー」「ラーマ」追加!
狂気の看護師「ナイチンゲール」
19世紀に活躍した英国の看護師、本名は「フローレンス・ナイチンゲール」。
クリミア戦争※に従軍し、最低レベルだった野戦病院の衛生状態を改善し、後に判明する死因第一位の"感染症"を防ぐことで、結果的に多くの兵士の命を救いました。
戦後は、医療の世界に統計学を取り入れ、保健制度や陸軍組織の改革に貢献したことや、看護師の教育に尽力したことなどの活躍から"近代看護教育の母"と呼ばれています。
1853年〜1856年の間、クリミア半島などを舞台にフランス、オスマン帝国、イギリスを中心とした同盟軍及びサルデーニャ王国とロシアが戦った大規模な戦争。
このように、偉大な功績を残したナイチンゲールですが、今回は"バーサーカー"のクラスとして召喚されました。
何故、このような偉人が狂気を孕むサーヴァントになってしまったのか。それは、次のようなエピソードに由来すると思われます。
ナイチンゲールがバーサーカーになる理由
英霊をバーサーカーとして召喚する理由は、マスターの戦略的な思惑など様々ですが、基本的に生前に"発狂した(伝説も可)"もしくは"狂気的な行動をとっていた"英霊がバーサーカーになりやすいと言われています。
白衣の天使の由来となったナイチンゲールに、"狂気的な逸話なんてあるわけない"と思うでしょうが、彼女が看護師として働く執念を顧みるに、実にバーサーカー足りうる狂人なのでした。
病的とも思えるほどの執念
ナイチンゲールは、"人を救うこと"に対して、病的とも思えるほどの執念を持っていたとされています。
人を救うことに執着し、それに関することならどんな激務もこなしていました。自身の身体に限界がこようとも、医者が止めても、家族が泣いて止めても彼女は働き続けました。
このような病的な執念、綺麗な言葉で言い換えれば献身的な姿に数多くの協力者が現れましたが、他人にも自身のスタンスを強要するから質が悪い。ついには、その協力者にも過労死する者が出たとか。
また時には、自身の目的を阻害する軍や政府の関係者にすら喧嘩を売り、その度に彼らを恐れさせていました。
このような人を救うことを目的とした狂気的な姿が、バーサーカー足りうる所以と言えるでしょう。
第五章では、その執念がとても強く反映され、良い意味でも悪い意味でもストーリーをかき混ぜてくれました。
ちなみに、その性格についてFateの産みの親・奈須きのこ氏も言及しており、ナイチンゲールの"鋼の信念"を知らしめたいとのことから、「実は"Fate/EXTRA CCC"の新サーヴァント候補だった」とも語っていました。※
※ 2016年3月29日の「竹箒日記」にて
近代オカルトの始祖「エレナ・ブラヴァツキー」
神智学を創唱した人物で、神智学協会の設立者の1人。
神智学とは、瞑想や啓示などを通じて、神聖な知識や高度な認識(総称して"真理")に達しようとする思想。
ただし、エレナの神智学は系統が異なり、世の中にはいろいろな宗教があるけれど、それらの根源は一つだよね。だったら、その言うなれば「本源的な宗教」を明らかにすれば、真理に辿り着けるはずと考えました。
ということで、古今東西様々な宗教や神秘主義思想を折衷して考えようぜという思想。
ちなみに、Fateでお馴染みの根源=アカシックレコードという概念を世に広めたのも彼女。
ともすれば、それこそソロモンのような存在と対峙する時に、再登場する機会があるかもしれませんね!
インドの理想的君主像「ラーマ」
インド二大叙事詩の一つ「ラーマーヤナ」の主人公で、インドにおける理想的君主と言われています。
その正体は、インドの最高神「ヴィシュヌ」(※1)が、人間に転生した姿。
ある日、ヴィシュヌは、ラークシャサ(※2)の王「ラーヴァナ」(※3)に妻や娘を奪われた王や半神に助けを請われます。しかし、最高神のヴィシュヌであっても、ラーヴァナの持つ「神仏に負けない」というチート能力には適いません。そこで、ヴィシュヌはラーヴァナ討伐のために、ダシャラタ王の王子・ラーマとして転生したのです。
かくして、人間に転生したヴィシュヌとラーヴァナの戦いが始まりました。この戦いが描かれたのが前述した「ラーマーヤナ」です。
※1:世界を維持する役目があるヒンドゥー教の神。
※2:インド神話の悪魔、羅刹とも言われています。
※3:インドにおける魔王の1人、ラークシャサの王。
ちなみに、二大叙事詩の内、もう一方が「カルナ」と「アルジュナ」が活躍する「マハーバーラタ」です。
両者が最高ランクの★5で登場しているのに、もう一方の叙事詩の主人公・ラーマが★4なのはどのような調整なのでしょうか。いえ、★5セイバーは飽和しすぎているので、これ以上増えても困るのですが……。